PC用メガネの効果とは?!ブルーライトの真実と付き合い方を教えます!

投稿者 : メディカルアドバイザー 望月 雄二 先生 on


最近、PC用メガネ(ブルーライトカットメガネ)がLED液晶ディスプレイのブルーライトをカットして、目の疲れを軽減してくれるという触れ込みで大変な人気を博しています。
しかし、PC用メガネを間違った認識で購入してしまう方も多くいると思いますので、ブルーライトについて説明したいと思います。

ブルーライトとは何か?

ブルーライトとは、その名のとおり「青い光」のことです。
太陽からの白色光は、皆さんご存じだと思いますが、プリズムで7色の光に分かれます。
青い光も特別なものではなく、光を構成する1つの成分に過ぎません。
ブルーライトは、LED液晶ディスプレイからの光にも含まれていますが、蛍光灯や太陽光にも必ず含まれています。

ブルーライトとは可視光線です。
いわゆるヒトの目で見える波長のもの。
目に悪影響を与える紫外線は、ヒトの目で見えない波長の短い光線です。
パソコンやスマホから出るブルーライトは、目に入ってもいい光になります。

なぜ、ブルーライトは目に悪影響と言われているのか?

2つの理由が考えられます。

1つは加齢黄斑変性と言った黄斑部の病気のリスクが高まると言われています。
この点については、幾つかの疫学データが発表されていますが、必ずしも明確な結論が得られてはいません。
しかし、人間の水晶体には元々ブルーライトをカットするような仕組みがあります。
LED液晶ディスプレイからのブルーライト量は太陽に比べて格段に少ないので、別に特別な対応をしなくても、それで充分ではないか、と思われます。

もう1つは昼のリズムの作成に欠かせないブルーライトが、夜間に強く浴びせられることによる体内時計の乱れです。
目の中にはブルーライトに反応する光受容体があり、体は朝に太陽の光を浴びてメラトニンの分泌を止め、活動時間にはいります。
目覚めてから14時間から16時間を経過すると、徐々にメラトニンは分泌され始め、分泌が高まると眠気を感じるようになるのです。
その為、PCやスマホなどを夜遅くまで使用していると、メラトニンの分泌が抑制され、メラトニン不足になり、睡眠障害の原因になってしまうのです!
夜のブルーライトで体内時計が乱れ、睡眠障害になってしまうと、生活習慣病に悪影響を及ぼすことも問題視されています。

なぜ、PCメガネは目を疲れさせないのか?

PCメガネはクリアレンズと言えども、微妙に黄色みがかっています。
この色味の変化こそがLED液晶ディスプレイのブルーライトと明るさの軽減をして、目の負担を減らしています。
色味を変えずにブルーライトだけをカットすることは物理的に不可能です。
視界があまり黄色くならないレンズは、実際にはブルーライトをカットする能力が低いという証拠ですので気をつけましょう。

あなたは、LED液晶ディスプレイの設定を変更してもブルーライトは防げないと考えていませんか?
そんなことはありません。
青を減らす設定もしくは全体的な明るさを減らす設定を行えば、ブルーライトは減ります。
スマホやPCの設定変更は簡単に出来ますし、PCメガネも必要なくなるので、お金もかかりませんよ。

デジタル機器の設定方法は、日本経営合理化協会様のページでご紹介していますので、チェックしてみて下さい。
↓↓↓
第29回 「ブルーライト」のお手軽緩和術(日本経営合理化協会)

本当にPCメガネを利用した方がいい場所は?

快晴時の太陽光に含まれるブルーライトの量は、LED液晶ディスプレイから出ているブルーライトの量に比べ、はるかに多くなっています。
おそらくは十倍程度かそれ以上になると思います。
パソコンの前でPCメガネをかけるより、外出時にかける方が多くのブルーライトをカットできるのです。

また、PCを複数の人で共有しているとか、何らかの理由でLED液晶ディスプレイの設定を変更できなくて、かつ夜間に作業をしなければいけない人はPCメガネを利用したらいいと思います。
体内時計の乱れを最小限に抑えられるかもしれません。

大切なのは、ブルーライトと上手に付き合うこと

ブルーライトは人間が健康的に生活していくために不可欠なもので、むやみに怖がる必要はありません。
体が必要とする時はブルーライトを浴び、必要がない時はあまり目に入れないようにすれば、それでよいのです。

電子機器から発せられるブルーライトは自然光よりとても弱いので、眼を適切に休め、画面と適度な距離を保ち、夜はナイトモードを利用すればカットする必要はないと考えます。
うまく付き合っていくことが大切ですね。

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この記事を書いた人

メディカルアドバイザー 望月 雄二 先生

《メディカルアドバイザー・望月眼科医院院長・医学博士》
目は外界と接しているため、いつもゴミやバイ菌が入りやすい場所です。また、目の奥には「見える機能」を司る大事な網膜があり、血管や神経に富んでいます。 そこには全身の病気が隠されていることもありますので、何か目の異常を感じたら早めの眼科受診をお勧めします。

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